不動産のオーバーローンの注意点とは

不動産のオーバーローンの注意点とは

住宅を購入する際には、住宅ローンを組むのが一般的

夢のマイホームは、一生に一度の大きな買い物です。
その購入金額はマイカーの比ではなく、1000万円単位が普通です。
中古車ならばなんとか現金一括払いで購入できても、中古の一戸建てや中古マンションを現金一括払いで購入できる人は、そうそういません。
よって、ほとんどの人がマイホームを購入するために住宅ローンを組みます。

 

夢のマイホームを購入する際、大きく分けて以下の3つの費用が発生します。

  • 土地の代金
  • 建物の代金
  • 諸費用

土地代金と建物代金の合計が、パンフレットなどに記載されている「物件価格」です。
マイホームを購入する際、ほとんどの人は物件価格を念頭に置いて住宅ローンの検討を行なうでしょう。

 

住宅ローンを組んで家を購入するとき、普通はある程度の頭金(物件価格の10%〜20%程度)を用意しておきます。
頭金の割合が多ければ多いほど、住宅ローンで組むべき金額が少なくなり、支払う利息総額も少なくなり、ひいては支払い総額も少なくなるのです。
しかし、どうしても頭金が用意できない人は、「物件価格」全額をローンで組もうとします。
この状態を「フルローン」といいます。

 

物件価格以上のお金を借りる状態が「オーバーローン」

残った「諸費用」には、住宅の登記費用や銀行に支払う手数料、火災保険料、仲介した不動産業者に支払う手数料、不動産取得税などが含まれています。
フルローンを組んでも、諸費用に関しては自己負担で現金支払いしていく必要があります。

 

しかし、諸費用も結構ばかになりません。
物件価格によっても異なるのですが、物件価格のおおむね8%〜10%程度が、諸費用の相場です。
物件価格が高いほど諸費用のパーセンテージは低くなる傾向にあります。
3000万円の物件価格の住宅を購入しようと思ったら、240万円〜300万円の諸費用が掛かる計算なのです。
諸費用だけで、新車が買えてしまう価格ですよね。

 

そこで、中には物件価格だけでなく諸費用も住宅ローンで賄おうとする人がいます。
物件価格以上のお金を融資してもらうことを「オーバーローン」と呼んでいます。

 

オーバーローンを利用する違った目的

住宅を購入する人がオーバーローンを利用する主な目的は、諸費用の支払いもローンで賄おうとすること。
しかし、中にはそうではない目的でオーバーローンを利用しようとする人もいます。

 

その一つが、投資目的で不動産を購入する「不動産投資」の人です。
例えば、投資目的で4500万円の物件を購入するとして、それに対して5000万円の住宅ローンを組んだとしましょう。
500万円のオーバーローンとなるわけですが、諸費用を安く抑えられれば、500万円の多くは手元に残ります。
しかも、購入した投資物件の利回りが良く、不動産収益ががっぽがっぽと入ってくる状態ならば、不動産収益は入ってくるし、超低金利の住宅ローン名目で500万円近いお金を手にできるということになります。
500万円近いお金で他の借金を返済するもよし、新たな投資をするもよしです。

 

銀行の審査をかいくぐるために、物件価格を高く設定する

しかし、個人がお金を借りる審査の中で最高クラスの難易度を誇る「住宅ローン」。
ローン融資をする銀行も、審査はかなり厳しく行います。
諸費用だってしっかりとチェックされるでしょうから、余分なお金は貸してくれそうにありません。

 

しかし、その審査をかいくぐる手として、「物件価格のつり上げ」があります。
銀行としても、オーバーローンよりはフルローンの方がまだ審査の難易度は下がります
5000万円を借りて、4500万円の物件を購入すればオーバーローンですが、数字上の物件価格を500万円上げて5000万円にすれば、それはフルローンとなります。

 

もちろん、数字上の物件価格のつり上げは、銀行に知れてはなりません。
買い手と売り手(不動産業者)で示し合わせて、仲介手数料を少し多く支払うなどを条件に、物件価格の数字上のつり上げを行ないます。

 

諸費用以外の目的でのオーバーローン利用がばれたらどうなるか

売り手と買い手の間で黙っていれば、諸費用支払い以外の目的でオーバーローンの利用がばれる可能性はさほど高くはありません。
しかし、周辺の土地価格相場や建物の状態から見て、どうしても物件価格が高いとなれば、銀行に本来の目的でないオーバーローン利用がばれるかもしれません。

 

銀行の知るところとなれば、信義則違反となり借りたお金の一括返済を求められるでしょう。
ある程度手元にお金が残っていれば、一括返済も不可能ではないかもしれません。
しかし、不動産投資をする人にとって本当に恐ろしいのは、一括返済ではありません。
今後の融資を受ける際に、明らかに不利になる点です。
本当に掘り出し物の投資物件に出逢ったとき、融資を受けられなければせっかくのチャンスもふいにしてしまいます。