住宅ローン保証料を払うと安心できる?!保証料についてくわしく解説!!

住宅ローン保証料を払うと安心できる?!保証料についてくわしく解説!!

高額なローンである住宅ローンでは、多くの場合において「保証料」という言葉を聞くことになります。「保証を受けるために必要なもの」として安心して支払っていると思いますが、実は支払っているだけで安心できるようなものではないのです。そこで、住宅ローンの保証料について解説します。

 

そもそも住宅ローン保証料とは何か?

住宅ローンの保証料は、住宅ローンについての保証を指定の保証会社から受けるために支払うお金です。保証会社は債務者である住宅ローン利用者の支払いが滞った場合に、代わりに債権者である銀行に対して残りの住宅ローンを返済します。

 

銀行は保証会社を用意している

住宅ローン申込時、銀行では審査を行うことで貸し倒れのリスクを測っています。もし、審査の結果としてお金を融資することができないと判断すれば、お金を融資してもらうことはできません。しかし、お金を融資できると判断しても、融資額や返済期間を考えると貸し倒れリスクは少なからず残ることになります。
一昔前であれば「連帯保証人」を設定することが一般的でした。連帯保証人は、主たる債務者の返済が滞った場合に、代わりに返済する義務を負います。一般的に債務者の親戚や知人にお願いするのですが、これがなかなか見つからずに住宅ローンが借りられないという事例が多かったのです。
その連帯保証人に代わって利用され始めたのが、保証会社なのです。住宅ローンの利用者は保証会社に保証料を支払うことで、連帯保証人のようにいざという時にローン残債を肩代わりしてもらうことができます。保証が必要な住宅ローンにおいて連帯保証人を見つける手間がかからないのですが、代わりに「保証会社の保証を受けられる」ことが必要になります(保証会社の審査に通る必要がある)。

 

住宅ローン保証料を払えば安心!ではない

住宅ローンの保証料は、いざという時にローン残債を支払ってもらうための費用です。しかし、保証会社の保証を受けられるのであれば安心できるというわけではありません。保証会社は銀行に対してローン残債を支払うことで債権を引き受けることになりますので、債務者の立場はほとんど変わらないのです。

 

保証会社の役割とは?

そもそも保証料を支払っている保証会社が何をするのかについては、簡単に言えば「銀行のリスクを減らす」ことです。保証料を支払うのは基本的に債務者つまり住宅ローン利用者なのですが、メリットを得られるのは債務者ではなく銀行です。
保証会社は、住宅ローンの利用者の支払いが滞った場合に、代わりに銀行に対してローン残債を支払います。これを「代位弁済」と言います。通常、借金を全て支払い終えると債権者と債務者の関係は終了しますが、代位弁済の場合は債権が移動します。つまり保証会社が行っているのは「債権の買取」に近い形となり、債務者の立ち位置はそのまま変わらないのです。

 

代位弁済が行われても支払い義務は残る

代位弁済が行われた場合、住宅ローン利用者にとって変化するのは「債権者の変化」です。今までは住宅ローンの返済を銀行に対して行っていましたが、債権者が変わることで支払わなければならない対象も銀行から保証会社に変化します。債権者が変わろうともローン返済義務はそのままなので、状況は好転しているとは言えません。
むしろ、経済的にはかなり追い詰められている状況となっていると言えます。代位弁済が実行されたということは、主たる債権者である銀行へのローン返済が滞っているということになります。ローン返済が滞るのは、住宅ローン利用者の経済状況が悪化していることが主な理由となるでしょう。つまり住宅ローン利用者は、保証会社からの請求に対して十分な支払い能力を有していない可能性が高いのです(支払い能力があるのであれば、そもそも銀行への住宅ローン返済が滞っているわけがないから)。

 

大半は住宅を失う

保証会社による請求は、基本的に「破綻した住宅ローン際の一括請求」です。住宅ローンの残りがいくらであるかにもよりますが、基本的に何百万円〜何千万円というお金を一括で支払うように請求されることになります。しかし、その何分の1かのお金すら滞納してしまっている以上、残債全額を一括で支払えと言われても対応できる人はほとんどいません。
そこで行われるのが、住宅ローンによって購入した不動産の「競売」です。競売の売却金によってローン残債を返済し、それでもローンが残った場合は残債をある程度は分割払いすることになります(手間や資金回収の観点から、任意売却が認められるケースも有る)。

 

ブラックリストや自己破産のリスクも存在する

保証会社による代位弁済が行われることのデメリットは、住宅を失うだけではありません。それ以外にも「信用情報機関のブラックリストになる」ことと「自己破産しなければならなくなる可能性がある」といったリスクも抱えることになります。
まず、信用情報機関のブラックリストについて説明します。これは住宅ローンやカードローンなどの借金について金融事故(延滞や債務整理など)を起こした場合に、数年間はその記録が残ることを言います。金融機関はキャッシング等の審査に際してこれを参照するので、金融事故の記録があればその人を「ウチでも同じことをするのでは?」と疑い、審査に通りにくくなります。一部の金融機関ではブラックリスト状態でもお金を融資してくれることがありますが、中小の消費者金融で金利が高かったり、いわゆる「ヤミ金」に引っかかってしまう可能性があります。
もう一つのリスクは「自己破産」についてです。破綻した住宅ローン残債の金額が大きく、競売にかけた住宅の価格が低かった場合は保証会社が回収できる割合が少なくなります。金融機関によって対応は異なりますが、競売による返済額次第では「自己破産」に追い込まれてしまう可能性が高くなってしまいます。

 

「保証人を用意する」ことは不可能

保証会社による対処を避ける方法として、多くの人が「昔みたいに連帯保証人を用意すれば良いのでは?」と思われるでしょう。保証料を支払ってもいざという時には債権者が変わるだけであり、ならば保証人を立てて保証料の負担を返済に充てたほうが有意義だと考えられます。
しかし、現在は保証人を立てての住宅ローン申込みはできません。なぜなら、連帯保証人を用意しての住宅ローン審査となると、審査にかかる手間が増えるだけだからです。
保証人ということは「住宅ローンに対して責任を負える人物である」ということが必要になります。住宅ローンの返済が滞った時にきちんと支払いしてもらえなければ意味がありません。それを測るためにも、金融機関は連帯保証人についても審査をしなければなりませんが、それだけ手間をかける価値があるのかと言えば難しいところです。
金融機関が指定する保証会社というものは、大抵はその金融機関の子会社になります。保証会社による審査も必要にはなりますが、連帯保証人を審査するよりは少ない手間となります。

 

小まとめ:保証料は住宅ローン利用者を守るものではない

住宅ローンの保証料は、保証会社による代位弁済を成立させるためのものであり、債務者を救済するような方法ではありません。保証料を「保険料」のようなイメージで理解しているのは大きな間違いです。
健康保険や生命保険のように、いざという時のために保険料を支払っておくのと似たような構図に見えるかもしれませんが、その実態は大きく異なります。健康保険や生命保険がいざという時に被保険者を助けてくれるものであるのに対して、住宅ローンの保証会社が救済するのは債権者である銀行などの金融機関です。
住宅ローンの保証料は自分のために支払うものではなく、銀行のために支払っていると言っても過言ではありません。そのため、住宅ローンの保証料を支払っていればいざという時にも安心、と勘違いしてはいけないのです。そもそも保証によって住宅ローン返済義務がチャラになるのであれば、誰も住宅ローンを返済しなくなるでしょう。

 

支払い法は、一括・分割の2つある!

住宅ローンの保証料は、大きく分けると「一括で支払う方法」と「分割で支払う方法」の2つの種類があります。前者は支払い総額が少なくなる一方で最初にまとまったお金が必要になります。後者は借入時の負担は少なくて済みますが、返済期間が長いので支払い総額は大きくなってしまいます。

 

一括払い

住宅ローン保証料の一括払いは、「外枠方式」「前払い型」とも呼ばれています。一括という文字通り、住宅ローンを借りる際に全ての保証料を一括で支払う方式です。支払う保証料は、住宅ローンの借入額や借入期間によって決まります。
メリットとしては、分割払いの場合と比較して保証料の支払い総額が安くなることです。住宅ローン借入時の条件次第ではありますが、一括払いと分割払いで保証料の差が2倍近くまで開くこともあります。もちろん、借入額が相応の金額になるため、保証料だけで何十万円という金額を負担することになります。それで2倍の差が生じるということは、金額だけで考えると相当な違いがあるということになるのです。
デメリットとしては、その何十万円という保証料を、借入時に一括で支払わなければならないということです。金融機関によって異なりますが、相場としては借入額の2%相当を一括で支払うことになります。仮に3,000万円の住宅ローンを組む場合、その2%である60万円前後を一括で支払わなければなりません。自己資金を十分に用意できていない場合だと、この負担が重くのしかかることになります。

 

分割払い

もう一つの支払い方法は分割払いで、別名「内枠方式」「組み込み型」と呼ばれています。文字通り保証料を分割で支払う方法であり、基本的に金利に規定の割合を上乗せして支払う方法となります。
支払い方法が毎月の金利に上乗せされる形であるため、借入時の支払い負担を減らすことができます。借入時の負担を減らすことができ、自己資金をあまり用意できない人でも保証料を支払えるというメリットがあります。
ただし、保証料として支払う金額は一括払いのそれと比較すると高額になりやすいというデメリットがあります。借入額が同じで支払う保証料だけを比較するのであれば、一括方式の場合と比較して1.5倍〜2倍の差が生じるケースもあります。

 

住宅ローンの保証料はどのくらい支払う?

住宅ローンの保証料は、「どの金融機関で利用するか」「保証料の支払い方式はどうであるか」といった条件によって異なります。

 

三菱UFJ銀行の例

例として、三菱UFJ銀行の住宅ローンの保証料を例に挙げて解説します。まずは、一括払いの場合の保証料については、以下の表で表すことができます(保証料は、借り入れ年数と借入額100万円ごとの保証料について表記)。

 

http://www.tr.mufg.jp/loan/shohiyou.html

 

返済年数元利均等返済元金均等返済
5年4,579円4,305円
10年8,544円7,606円
15年11,981円10,208円
20年14,834円12,273円
25年17,257円13,928円
30年19,137円15,269円
35年20,612円16,366円

 

例えば元利均等返済で35年の返済期間の場合、100万円あたり20,612円なので、仮にその条件で3,000万円の融資を受ける場合は、約62万円の保証料を一括で支払うことになります。なかなかヘビーな負担になりますね。
分割払いの場合は、「借入利率(年利)に0.2%を上乗せ」と明記されています。その場合、35年ローンの場合であれば支払う保証料の総額は約120万円になります。これにより、一括払いと比較して2倍の差が生じていることがわかります。

 

審査結果によって保証料の違いがある

また、千葉銀行のように審査結果次第で保証料が変化する場合もあります。

 

http://www.chibabank.co.jp/kojin/loan/housing/first/cost/

 

千葉銀行の住宅ローンの場合、一括払いの場合は三菱UFJ銀行の場合と同じように借入期間と借入額によって保証料の金額が決まります。分割払いの場合は「年0.2%〜0.4%を上乗せ」と記載されています。注意書きに「審査結果により、上乗せする利率を決定」とありますので、審査結果次第で保証料の支払いが変化するということになります。

 

保証料なしの住宅ローンも!

住宅ローンの中には、保証料が必要ないものがあります。ただし、必ずしも保証料なしの住宅ローンがお得であるというわけではありません。本当にお得な条件で住宅ローンを利用するためには、支払う手数料等を最小限に抑えるという意識を持つことが重要です。

 

保証料なしの住宅ローン

一般的な銀行の住宅ローンの場合、保証料が必要なケースがほとんどです。しかし、ネット銀行を中心とした一部の銀行の住宅ローンの場合、保証料不要で住宅ローンを利用することができます。
保証料が無いということでメリットが大きいと思われるのですが、良いことばかりではありません。保証料なしの住宅ローンの特徴の一つとして「審査が厳しくなる」という点が挙げられます。
なぜ審査が厳しくなるのかと言えば、保証料が必要無いということは貸し手となる金融機関は「保証会社からの保証を受けられない」ということになります。つまり、金融機関はいざ貸し倒れになってしまった時には自社でその損失を全て負担しなければならないということになるのです。
そのため、金融機関は保証会社の保証を設定している場合と比較して貸し倒れのリスクを厳しく審査しなければならなくなります。住宅ローンの返済能力に関わる年収や借入状況、借入希望額などに対して厳し目に見られることになります。

 

総合的な利率で考える

しかしながら、手数料なしの住宅ローンが必ずしもお得であるというわけではありません。なぜなら、手数料なしを謳っている住宅ローンの中には、その分を受託ローン本体の金利に含めている可能性があるのです。
例えば、「住宅ローン金利1.5%+保証料0.2%」の住宅ローンと、「住宅ローン金利2.0%で保証料なし」の住宅ローンがあるとします。後者の住宅ローンは保証料が無いのでその分お得なイメージがありますが、実質的には損をしていることに気が付かなければなりません。前者は保証料が0.2%かかりますが、住宅ローン本体の金利が1.5%であり、合計すると1.7%です。つまり保証料ありの住宅ローンであっても、保証料なしの金利2.0%の住宅ローンより0.3%実質的な年利が安く設定されているのです。
ただしこれは「保証料付きの住宅ローンのほうがお得である」ということにはなりません。重要なのは「支払う金利や手数料の合計がいくらになるのか?」を把握することです。例えば上記の例であれば、保証料なしの住宅ローンの金利が1.6%であれば、後者のほうがお得な条件ということになります。
保証料なしが無条件にお得であると判断するのではなく、住宅ローン本体の金利と保証料、その他の費用を総合的に判断してお得であるかどうかを判断するという姿勢が重要です。

 

まとめ

住宅ローンの保証料を支払うことは、借り手にとって何のメリットもない費用であると言えます。「保証料」という名称に対して安心感や安全性を感じることは絶対に避けなければならないということです。保証会社による代位弁済が行われても債権者が変わるだけであり、残っている住宅ローンは何らかの方法で返済しなければなりません。
マイホームを守るためには、保証料などの諸費用を含めた住宅ローンをきちんと完済することが必要です。場合によっては保証料の負担は100万円を超えるため、借入先の金融機関の選択や支払い方式については十分に検討しておく必要があります。